インドでは、スマートフォンの急激な普及に伴いゲームに触れることのなかった児童や大学生がゲームに熱狂し、両親を戸惑わせる事態が急増しているようです。
これだけであれば、日本でもよくあった光景で、我々もよくACアダプターを母親に隠されたり、窓からファミコンを投げ捨てられたものです。
そして、我々がいつかどこかで見たり聞いたような、いつか来た道のような懐かしい話がそこに繰り広げられています。
ブルームバーグの記事によりますと西インドの警察は10人の大学生をPUGBをプレイした為に逮捕し、自治体ではPUBGのプレイ禁止を推奨しているとのことです。
日本でも一時ゲーム脳なる言葉が流行りましたが、ゲームの問題はどこの国でも精神科医や脳科学の分野が担当するようです。
インドの新聞Navbharat Timesは3月20日の社説で「このゲームには危険な影響がある」と警告している
とブルームバーグは報じています。
この大人と子供のゲームに関する争いの背景には、インドの社会情勢があるようです。
他の国々、例えば日本では20年など長い時間をかけて、ゲームは社会に定着していきました。
20年間、我々は親から隠れてゲームに熱中したり、ゲームセンターで補導員から逃れようとしたりと様々な努力(?)を重ね、今度はゲームに熱中した人が親になり、幾分洗練された付き合い方を子供に教えることができるようになったりならなかったりしました。ゲームは一日1時間。という高橋名人の言葉も効果があったりなかったりしました。以下はブルームバーグからの引用です。
インドとの違いは、インドに法律や道徳のない奇妙なデジタル世界が上陸したスピードです。それは(ほかの国のような)20年もの議論と調整をスキップし、ほんの数カ月で現代のゲーム時代に吹き込んだ。 PCやゲーム機を持っていなかった農村コミュニティは、近年スマートフォンを手に入れました – そして昨年の物価戦争の後、ワイヤレスサービスはほとんどすべての人にとって手頃な価格になりました。
5億人のインターネットユーザーが娯楽を探しているので、PUBGは狂乱を起こしました。南部の都市ハイデラバードで行われた学生コンテストには、1,000以上の大学から25万人の登録がありました。
もちろん、これほどの大きな市場を見逃す手はありませんから、企業も対応を始めています。またブルームバーグから引用です。
韓国のBluehole Inc.は、PC用のオリジナルのPUBGを作成し、モバイル版でTencentと提携したため、慎重なアプローチをとっています。同社は、さまざまな都市での禁止の法的根拠を検討しており、解決策を見つけるために当局と協議する予定だと語った。 「我々はインドで健康的なゲームプレイシステムの導入に取り組んでおり、低年齢層のプレイヤーのプレイ時間を制限するなど、バランスのとれた責任あるゲームを推進しています」と同社は語った。
他の記事ではPUBGのやりすぎで死者が出た。というTimes nowの記事、死因はPUBGではない。とするINDIA TODAYの記事など、近年の日本におけるポケモンGO騒動に似たものを感じさせ紙面をにぎわせている。
国や時代が異なっても、起きていることは似たり寄ったりですが今後、議論の中でゲームがどういった扱いをインドで受けることになるのかを見ていきたいところです。
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